第14回:アメフトの攻撃プレー(1)ランプレー(前編)
今回から、アメフトの代表的な攻撃プレーを紹介いたします。ランプレーとパスプレーがありますが、今回はランプレーの紹介です。
種類が多いので、2回に分けます。まずは前編です。
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アメフトのオフェンスは通常、プレーごとに全員の動き方が決まっています。
「クォーターバックが誰にボールを渡すか。」
「ボールを持った選手(キャリアーと呼ぶ)がどこを走るか。」
「誰が誰をブロックするか」
・・・などが、すべて決まって、1つのプレーになるのです。
1つのチームは何種類ものプレーを持っていて、それぞれのプレーにチーム特有の名前が付けられています。
例えば、「36トムキャット」
という名前のプレーがあるとします。
クォーターバックがプレー開始前のハドル(作戦会議)で、この名前を言えば、全員が「36トムキャット」の自分の役割を思い出して、
プレーに臨みます。
オフェンスの選手は、全プレーについて、自分の役割を覚えていなくてはなりません。
アメフトチームは、自分たちの使うプレーを全て記した「本」
を持っています。この本を「プレーブック」
と呼びます。
個々のプレーの名前はチームごとに決められるものですが、一般的には何種類かに分類されてます。
ここでは、その分類名に沿って、ご紹介していきたいと思います。
なお、オフェンス体型は I フォーメーションを例に説明しています。
14-1.ダイブ・プレー
ランニングバックが、真っ直ぐに敵の中央付近に飛び込むプレーを「ダイブ」
とよびます。
ここでは、I フォーメーションなので、FB(フルバック)が走ります。
QB(クォーターバック)は、C(センター)からスナップを受けると、すぐにFBに手渡しします。
この手渡しのことを、「ハンドオフ」と呼びます。
通常、オフェンスラインも自分の正面の相手を真っ直ぐにブロックします。

オフェンスラインとディフェンスラインの力関係が最も影響しやすいプレーです。
最もリスクの少ないプレーである代わりに、5〜6ヤード進めば成功と言えます。
14-2.ブラスト・プレー
ディフェンスラインの1人をオフェンスライン2人でブロックします。
これを「ダブル」または
「ダブルブロック」と言います。
当然、LB(ラインバッカー)の1人が余るので、それはFBがブロックします。
そして、ボールを持って走るのは、TB(テイルバック)になります。
このようなプレーを、「ブラスト」と呼びます。

このプレーは、ダブルでブロックしているDT(ディフェンスタックル)を押し切り、
ディフェンスラインの穴をどれだけ広げられるかが重要となります。
FB+TB対OLBという、2対1の状況を作り出せれば、オフェンスの勝ちと言えるでしょう。
14-3.パワープレー
攻撃ポイントに、可能な限りの人数のブロッカーを集め、「力」で勝負するプレーを
「パワー」と呼びます。
一般的には、DE(ディフェンスエンド)の内側を攻撃ポイントとし、逆サイドのG(ガード)が、攻撃サイドに走ってきます。
これを、「プル」または、「プルアウト」といい、Gにスピードが求められるのは、これがあるからです。

かなりゴチャゴチャしていますね。このゴチャゴチャしたプレーが、「パワー」なんです。
2点だけ注目してください。
まず、逆サイド(上側)のGの動き。これが、「プルアウト」です。
攻撃サイド(下側)のT(タックル)の外側まで走ってきます。
もう1点は、FBの動きです。
走りこんできたDEを横からブロックして押し出します。これを「キックアウト」
と呼びます。
もちろん、図は一例であり、プルアウトした逆サイドのGが、DEをキックアウトするような方法も考えられます。
14-4.オプション・プレー
ディフェンスの1人をあえてブロックせず、自由な状態にします。
この、ブロックしないディフェンス選手を、「オプションマン」
と呼びます。
QBは、ボールを自ら持ったまま、外側に走ります。
TBは、QBと並んで、やはり外側に走ります。
- オプションマンが、QBをタックルしに来たら、QBはTBにボールをピッチ(後方へのパス)します。
- オプションマンが、TBの方に向かっていったら、QBはボールを持ったまま、前に走ります。
この2種類の選択をQBがプレー中に判断して、オプションマンを無力化するプレーを
「オプション」と呼びます。

QB・TB共に赤い矢印になっていますが、これは、
どちらもボールを持つ可能性があるという意味です。
この例では、オプションマンが1人で、オフェンスの選択肢は2つです。
これとは別に、オプションマンが2人で、
オフェンスの選択肢は3つというプレーも可能です。これを、
「トリプルオプション」と呼び、チームによっては、「オプション」と言えば「トリプルオプション」を指す場合もあります。
だんだんアメフトの解説らしくなってきましたね。
次回はランプレーの後編をお送りいたしますので、よろしくお願いします。
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